平成29年6月2日「ラストディナー 高齢者医療の現場から」(幻冬舎刊)を出版しました。
これまでに患者さまとご家族さま、そこに寄り添う職員との老寿サナトリウムで過ごされた時間を8編のストーリーにまとめてみました。
タイトルは「ラストディナー 高齢者医療の現場から」です。
開院より37年、様々な患者さまご家族さまが当院で最期の時間を過ごされてきました。
その中から心あたたまるエピソードを1週間と記念日の8編のストーリーとして、ご紹介しております。
人生の締めくくりに向かっての様々な思い、時間の過ごし方をお読み頂ければ幸いです。
定価1,300円+税、全国の書店にて販売しております。
また、令和元年12月より、電子書籍でも販売開始いたしました(税込 1,144円)。
Amazon Kindleや楽天Koboをはじめ、各電子書籍ストアにて取り扱っております。
読書の声
「ラストディナー」のタイトルにひかれて読ませて頂きした。
北畑先生の「自分らしくある」という事が病院の場で
1人1人のものになってゆく姿は、ステキです。
共感のもてる点が、沢山ありましたが 特に下の2点は同感です。
- 私も2009年脳梗塞で年脳梗塞で、とある病院に2ヶ月の入院
体は動かず、声も出ず、水も飲めず 、目も十分に見えず上を向いたまま
色々なところへ運ばれ、院内のどこかも分らず、
ここでは自分のテリトリーが 、許されていないと思ました。
次の日に、院内のレイアウト (どこに何があり、エレベータは?)を頭に入れました。
やがて窓の位置と窓の外にあるものが、確認できました。
窓から入る光・風・音で自分の位置が分かります。これで私はおちつきした。
私は2007年から、インテリアの仕事をはじめました。
住まう人にとって、自分らしい部屋をつくるのがテーマです。
大切にしている事は、「1人1人の自分の居場所を設える事」ですが、
入院してみて、その事がいかに大切かを確信しまた。
人には、その人にふさわしい自分の居場所があります。
そこに居ると日常のリズムが整い、静かに暮らせる。 性格・おいたち等で人様々。
工業デザインとちがってマーケティグで、シャンシャンとできるものではない。
病院においても自分の空気、家に居る様な設えが欲しいものです。
それがむつかしいなら 、この本にあるオープンランチやデイルーム
のアイデアは、ステキです。 - 入院して約1ヶ月、2度目の嚥下テストに失敗して
胃ろうをすすめられました。先が見えない中、聞き入れるしかないのか?
この本に書かれているのと同じです。
人には食べた味や想いがあり、人格の一部なのかもしれません。
食べられない事で、自分でなくなる様に思いました。
3度目のテストをお願いしました。
誤えんしてもかわない。一か八かです。
数人の先生の前でテストすから、どこに入ろうと必ず飲み込んでやる。
一滴の水が飲めました。小さなゼリーが渡されこれもパスしました。成功!
自宅からありったけのゼリー・プリン・水ようかんをもってこさせガンガン食べました。
おかげで3日で普通食が与えられました。
誤えんになって、例えば死んだとしても “まぁそれでいっか”です。
胃ろうは、“生きる”ために必要であっても、“活きる ”にはもの足りないでしょう。
「患者や家族が何を選ぶかは、人それぞれで正しい」という
この本の考え方は、本当に勇気のいる事ですが、ステキです。
よい本を ありがとうございました。